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I歯科医院の高楊枝通信。

I歯科医院の高楊枝通信。

虫歯の常識、非常識1

50代女性、左上4、隣接面カリエス

虫歯を全部取ると露髄するので、全部除去していない。虫歯はα-TCPセメントで再硬化して治る。α-TCPとは歯の素材そのものだからだと思う。

一般には虫歯は細菌感染症なので、虫歯を取り残すと再発すると言われているが、実際にやってみるとそんなことはない。

虫歯は取り残してはいけないというのは、G.B.ブラックという100年以上前の歯科医師の意見だが、これが今も墨守されている。

しかし、虫歯を取り残してはいけないということには裏があって、微小漏洩(マイクロリーケッジ)がある修復技法の場合は再発するということなのだ。漏洩ということは隙間に電解質が侵入し、異種金属接触腐食、酸素濃度差腐食が起こるということだ。

このことは意外にも業界では全く知られていない。

慎重に選んだ材料と技法によるCR充填以外の修復法では微小漏洩は必ず生じ、虫歯は再発するということだ。
インレー、クラウン、アマルガム、金箔充填、全て微小漏洩があり、虫歯が残っていてはダメなのだ。

・・この症例では遠心は以前にCR充填をしていたので、内部がどうなっているか判ると思う。

では、時系列でどうぞ












このようにCR充填で一回で終わってしまうと通常の歯科医師には仕事がなくなってしまう。

通常は神経を取って、型取りをして冠を製作し装着する。ということをするが、これでやっと歯科医師は食べていける。
虫歯は残しても良い、虫歯は治るとか、CR充填が最も漏洩が少ないとかいうのは不都合な真実であり、世界中の歯科業界は受け入れることはできない。食べていけない、少なくとも贅沢な暮らしはできないということなのだ。

この業界の仕組みに気がつくのは業界に入ってからであって、すでにどっぷりシステムに浸かっており、足抜けは困難だ。足抜けには多大な努力が必要になり、通常は不可能だ。3倍働かないと足抜けはできない。体を壊してしまう。

だから、過剰診療は横行し、技術的に劣る、歯を削ることに躊躇してしまう、または患者に歯を削ることを納得させることのできない歯科医師はワープアに落ちるか、自死を選ぶしかない。当地でもこの20年で数人は・・

このブログを見ている歯科医師はどう思うかというと、僕は元々資産がありお金持ちなので、あくせく歯を削る必要もない、趣味で歯科医療をしているのでは?と思うはずだ。

この歯科業界の現状を知った一般の患者の皆さんはどうしますか?

歯は『削ってなんぼ』のこの業界で、僕は削り散らかされて、もう抜くしかなくなった歯をなんとか保存することで糊口をしのいでいる。仕事はいくらでもあるが、絶望している。

ここのコメント欄で質問をした人にご意見を伺いたいと思う。


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